はじめに
みなさん、こんにちは。
今日は横山秀夫さんの小説であるD県警シリーズの読む順番を紹介します。
小説の読む順番って分かりにくいですよね。
タイトルだけでは判断できない場合も多くありますよね。このD県警シリーズもタイトルでは分からないです。
そこで今回はD県警シリーズの読む順番を紹介します。
- 陰の季節
- 動機
- 顔 FACE
- 64(ロクヨン)
この順番が正しいみたいですが、ぶっちゃけどこから読んでも楽しめると思いますよ。
1 陰の季節
D県警シリーズはたくさんの刑事や婦警が登場します。その中でも登場機会の多い警務課の二渡真治がメインの短編集です。
二渡真治は警察の人事担当をしています。
表題作の『陰の季節』では、二渡真治が大物OBの抱える秘密と謎に迫ります。
刑事部長を勇退した大物OBである尾坂部道夫が、警務部の用意した天下り先のポストに収まり3年が経ちました。
ポストの任期も県警の異動期に合わせて切れます。すでに後任も決まっています。
しかし、尾坂部はそのポストを辞めないと言い出したのです。
人事担当として、二渡は尾坂部がなぜポストを手放さないのか調査を始めました。
尾坂部が代表を務める団体の事務所を訪れた二渡。事務所の壁には巨大な地図が張られ、たくさんの待ち針が刺さっていました。
はたして尾坂部がポストを辞めない理由とは何か? 調査を続けるうちに二渡は一つの答えに辿り着きます。
他の3篇も軽く紹介します。
地の声
新堂は警務部監察課の監察官として警察職員の賞罰を管理しています。
そんな監察課にとあるタレコミが舞い込みます。
内容はQ署の生活安全課長がパブのママと密会しているというものでした。
いったい誰が何の目的でこのタレコミを監察課に流したのか。また真偽の方はどうなのか。
新堂はQ署の生活安全課長である曾根警部の出世を潰そうとする輩がタレコミを流したのではないか、と推理しました。
天の声を聞けなかった曾根警部。
真相は意外なものだったのです。
黒い線
平野瑞穂巡査が無断欠勤をした、との情報が入ったところから話が始まります。
婦警担当係長である七尾友子は、瑞穂がなぜ仕事に来ないのか調べることにしました。
瑞穂は鑑識課で似顔絵の作成を担当していました。
瑞穂は、失踪前日に描いた似顔絵がきっかけで犯人を逮捕するという大手柄を挙げていました。
もしかしたら、犯人一味に襲われたのかと、友子は不安になります。
瑞穂の身に何が起こったのでしょうか。
ちなみに瑞穂は『顔 FACE』で主人公として再登場します。
鞄
柘植正樹は警務部秘書課に所属しています。
柘植の仕事は定例県議会の一般質問に向けて県議の先生方を周り、警察に関する質問をするかどうか、するならどんな質問かを聞いて対策を練ることです。
質問にはD県警本部長が答えます。本部長に恥をかかせるわけにはいかないのです。
県議に質問を聞いていると、良くない噂を柘植は耳にしました。
鵜飼県議が一般質問で警察に爆弾をぶつけてくるらしい、というのです。
鵜飼県議は爆弾の中身を教えてはくれません。
柘植は定例会議までに爆弾の中身を把握し、本部長を守ることができるのでしょうか。
2 動機
『動機』はあんまりD県警とは関係ないような気もしますが、紹介します。
動機は警察の人間関係というよりは新聞記者や裁判官、女子高生殺人事件を起こして刑務所から出所した男など幅広い人物が登場します。
表題作の『動機』では30冊の警察手帳が紛失してしまいます。
もともと個人で管理していた警察手帳。
それを勤務時間外は署の金庫でまとめて保管するシステムに変更しようと起案した貝瀬は紛失騒ぎを聞いて調査に乗り出します。
状況的に内部犯には間違いありません。警察手帳の一括管理に反対だった刑事部の人間か、または保管管理を担当していた警務部の人間か。
様々な人から話を聞いていくうちに、犯人の動機に辿り着いた貝瀬は犯人の家に乗り込み、警察手帳を返して欲しいと頼みます。
次の日になり、帰ってきた28冊の警察手帳。そのとき、貝瀬は犯人の本当の動機に気が付くのです。
あとの3篇も軽く紹介します。
逆転の夏
『逆転の夏』は女子高生を殺し、出所した山本が主人公です。真面目に生きようとしていた山本の元に殺人依頼の電話がきます。
いったい誰を信じればいいのか、そんな不安に襲われます。
あと、最後に点が線で繋がっていく感じがゾクゾクします。
ネタ元
『ネタ元』は女性新聞記者の真知子が主人公です。ある時、真知子のもとに引き抜きの話がきました。
真知子は今いる会社に移るのか、それとも新しい会社に移るのか判断に迫られます。
男社会である新聞記者の中で葛藤する真知子の描写が読み応えあります。
密室の人
『密室の人』は裁判官である安斎が審理中に居眠りをしてしまうところから始まります。
裁判官としての生き方やそれに付き添う奥さんの葛藤が垣間見えます。
裁判官はやっぱり大変な仕事なんだな、と思います。それと同じくらい「裁判官の妻」は大変なんだろうな、と感じました。
3 顔 FACE
『陰の季節』でも登場した平野瑞穂が主人公の短編集です。
男社会である警察組織で奮闘する婦警たちを描いています。
『陰の季節』では鑑識課に所属していた平野瑞穂が、半年間の休職を経て広報の仕事に異動したところから始まります。
瑞穂は部署を転々と異動し、様々な事件に遭遇します。
また女性警官の地位向上に尽力する婦警、警察組織から逃げ出すように結婚する婦警まで様々な女性が登場します。
ちょっと違った角度の警察小説、推理小説だと思います。
4 64(ロクヨン)
おそらく『64』でD県警シリーズを知った人も多いと思います。僕もその一人です。
『64』は今までの短編集と違い、上下2巻の長編作品となっています。メインの登場キャラは広報官である三上と調査官である二渡です。
『64』に関しては別の記事で感想を書いたので、そちらから引用します。
主人公はD県警勤務の広報官、三上です。
三上はもともと刑事でしたが、警務部秘書課という部署に異動になりました。
三上の仕事は警察の窓として記者クラブに対し、捜査の近況を伝えます。
最初は刑事出身という異端の広報官として記者とも上手く付き合っていましたが、あるいざこざで記者クラブとのあいだに決定的な亀裂が入ってしまいます。
そんな最中、警察のトップである警察庁長官の視察が決定。
視察の内容は昭和64年に起きたD県警史上最悪の未解決事件『翔子ちゃん誘拐殺人事件』。
広報を担当する三上は遺族に視察のことを伝えると、「わざわざ偉い方にいらしていただく必要はありません」と断わられてしまいます。
翔子ちゃんの父はなぜ長官視察を拒絶したのか。三上がその理由を調べると「幸田メモ」なる存在に辿り着きます。
そして調査の中で三上の同期、警務部の超有能、二渡も『翔子ちゃん誘拐殺人事件』を嗅ぎまわっていることが判明。
遺族が視察を拒絶する理由とは?
「幸田メモ」とは何なのか?
二渡はなぜ『翔子ちゃん誘拐殺人事件』を調べているのか?
記者たちとの関係をどのように改善するのか?
とにかく問題が山積みです。
引用:映画化もされた小説『64』のあらすじから感想まで紹介するよ! – わさびのブログ (wasabinoblog.com)
まとめ
今回はD県警シリーズの読む順番をまとめてみました。
- 陰の季節
- 動機
- 顔 FACE
- 64(ロクヨン)
どれも読みごたえがあって面白いですよ。しかも難しくなくて読みやすいです。
みなさんもよかったら読んでみてください。
それではノシ!