はじめに
みなさん、こんにちは。
今日はプロ野球のオフシーズンによく聞く言葉「プロテクト」について紹介したいと思います。
プロテクトってどんなときに使うの?
プロテクト漏れってなに?
プロテクトとは保護するという意味の言葉です。
FA宣言をした選手を獲得した球団は、移籍前の球団が希望する選手を人的補償として放出しないといけません。
しかし、せっかくFAでいい選手を獲得できたのに、移籍前の球団に自分のチームの主力を獲られたら元も子もないですよね。
そこで移籍先球団は、「この選手は人的補償で獲らないで!」という28人を選定します。
それがプロテクトです。
プロテクト漏れとはこの28人から漏れるということです。
つまりプロテクトから漏れるとFA権の人的補償として他球団に放出される可能性があるのです。
プロテクトとは
FA権を獲得した選手がFA宣言をします。「移籍したいから気になるチームの人は声かけてね」という宣言です。
その後、興味のある球団との交渉のうえ移籍先のチームが決まります。
しかし、主力選手に移籍されると移籍前のチームは困ってしまいますよね。
そこでFA制度には、「移籍後の球団」が「移籍前の球団」に対して人的補償や金銭補償をする決まりがあります。
人的補償の選手は移籍前の球団に決定権があります。
そこで移籍後のチームは移籍前のチームに対し、「この選手は獲らんといて!」という28人を決めることができます。
これがプロテクト(保護)になります。
また、これらの選手はプロテクトしなくても保護されるので人的補償の対象外となります。
- 外国籍の選手(日本人枠になった外国人も)
- 直近のドラフトで入団した選手
- 育成契約選手
人的補償が発生する条件
FAによる球団移籍が発生したとしても、必ず人的補償がセットになるわけではありません。
人的補償が発生するのはAランク、Bランクのみです。
また、移籍先球団が、「金銭補償のみでいい」という場合は人的補償は発生しません。
格付け | ランクの決め方 | 人的補償あり+金銭補償 | 人的補償なしで金銭補償のみ |
Aランク | 元球団の年俸順位、1~3位 | 1名+年俸の0.5倍 | 年俸の0.8倍 |
Bランク | 元球団の年俸順位、4~10位 | 1名+年俸の0.4倍 | 年俸の0.6倍 |
Cランク | 元球団の年俸順位、11位以下 | なし | なし |
外国人選手は年俸順位から除外されます。
Aランクの選手を獲得した場合、
- 人的補償を選択した場合は選手1名+FA選手の年俸×0.5
- 金銭のみを選択した場合はFA選手の年俸×0.8
を移籍前の球団に補償します。
なので移籍前球団の選択によってはAランク、Bランクでも金銭補償のみの可能性もあります。
プロテクト人数は28人
一軍登録できる人数は29人です。つまり1軍に登録されている選手はほとんどプロテクトできるということになります。
球団が契約できる選手(支配下登録)は70人になります。
なので42人がプロテクトから漏れることになります。
プロテクトに関するあれこれ
プロテクトは球団が、「この選手を守りたい」というリストになります。
プロテクトできる人数は28人しかいないため、球団は頭を抱えながらプロテクトリストを作っていることでしょう。
人的補償は、球団はもちろん選手の人生をも左右させます。
そのため人的補償を巡っては様々な噂や疑惑、ごたごたなどがあります。
- 「人的補償で移籍するくらいなら引退する」と言い、人的補償による移籍を防ぐ
- 支配下登録ではなく、自由契約にして人的補償の対象から外し、落ち着いてから再契約して支配下登録する
などなどいろいろあります。
新しく入ってくる人の代わりに誰を異動させるか決めるわけですから、多かれ少なかれトラブルは発生してしまうのかもしれませんね。
まとめ
今回はFA宣言で移籍するときに生じる人的補償に関する語句「プロテクト」について紹介しました。
プロテクトとは人的補償で誰か選手を放出しないといけないときに、前の球団に対して、「この選手は獲らないで」と指定できる28人の枠のことを言います。
毎年、FA宣言した選手がどこの球団に移籍するか注目されています。それに併せて人的補償が誰になるのか注目してみるのも面白いかもしれませんね。
それではノシ!